A子「ねえねえ、やっと今年も男子達の悲喜こもごものイベントが終わったよね」
B恵「ホント!ニヤニヤして唇が開いたまま閉じない奴。肩を落として遠い眼差しになったまま現世に戻って来れない奴。俺ってチョコは苦手なんだよねって周りを牽制しておきながら、本当に1個ももらえなくて逆ギレする奴」
C菜「私は薔薇のような夢が叶った素敵な一日だったわ。トオル君に手作りチョコを渡せたから」
D美「んだんだ。わたすも隣りのクラスのお目目が団栗並みにパッチリのあの人にまごこ」
A子「何がスゴいって3年Z組のフェルナンド君よ!」
C菜「わたしも聞きましたわ!あのスペインから転校して来たフェルナンド君でしょ!」
D美「ももももモンノスッゴくかっこええわ〜って、わたすもず」
B恵「なんと校内新記録の365個だって!信じられる?」
A子「ちょっと待って。全校生徒が2099人。そのうち女子が1146人の我が校。つまり3.14人に一人が彼にチョコを渡したって計算ね。まるで円周率!」
B恵「チョコの個数もすごいけど、あんたって速いわね計算」
A子「ああ、わたし暗算検定3段なのよ。それよりどう?あのモテっぷり!」
D美「あんらま〜、わたすなんて円周率が3で始まんのか4で始まんのかだってあや」
C菜「実はわたくし、その円周率の一人なのでございます」
A子+B恵「エ""""""""〜〜〜〜〜!!!!!!なんでよ〜、あんたトオル君1本釣りなんじゃないの?」
C菜「あら、人生は多面的なのですわよ。可能性は少しでも高く多く大きく。わたくしのモットーでございます」
B恵「C菜って顔は可愛いんだけど腹は黒いのよね...」
C菜「いや〜ん、焦げ茶くらいですわ」
D美「いんや、そげなアクドイ考え方はトオルくんに対してひどくね〜かとおも...」
フェルナンド、4人の前を偶然通る。いつものように微笑みを浮かべながら。
A子「み、み、見た?あのスマイル。足の長さは多分92cm以上よ」
B恵「気付いた?今の微笑みは私に対してよ」
C菜「あのマツ毛の長さ。腕の長さ。すらりとした体躯。手のひら大の顔」
D美「わたすの田舎で栽培しとるスイカよりもちいさ」
A子「とにかく素敵!まるで王子様だわ。そう、『マーガレット系』ではなく『りぼん系』よ」
B恵「そ、そ、そうかもね。でも1日1つ食べても1年かかるチョコレートの分量って凄いわね。世界一モテるんじゃないフェルナンド君って」
C菜「みなさま、上には上がいるのをご存知?」
A子+B恵、及びD美「マジで?誰誰誰?」
C菜「隣町の第22中学ありますでしょ?」
B恵「うん、あのぞろ目の通称ゾロ中でしょ」
C菜「そうですわ。ゾロ中に超絶かっこいい人がいるの、ご存知ですわね?」
B恵「もしかして。船長君!誰が言い始めたかわからないけど通称 船長って呼ばれてるあの好男子!」
C菜「そうですわ。彼は今年、ついに1000個の大台を突破したんですって!」
一同「え〜〜〜〜!」
D美「4ケタっちゅったら1日 4つほど食べてもまんだ余るんでね〜かとお」
A子「計算が違うわD美!1000個もらったのなら一日に2.739個食べなきゃならないわ。歯医者を予約しておいた方がいいわね。さらにもう一つ。ゾロ中の全校生徒は3080人。そのうち女子は確か1234人、あそこは男子クラスがあるくらい男子率が高いから....え、ちょっと待って!1234人しかいない女子から1000個を越えるチョコを一人の男子が独占するなんて。数字的には81%を越えたわ。4/5以上よ!恐るべし船長!さすがとしか言いようがないわね」
C菜「実はわたくし、その、船長くんにもチョコをお渡ししたの」
B恵「.....あんた....大物か馬鹿かのどちらかね。敵には回したくない人物だわ」
しばらく無言の間
B恵「フェルナンド君に船長君。やっぱカッコイイのよね」
A子「でもうちの男子達、大丈夫かしら」
B恵「何が?」
A子「単刀直入に言うわ....一揆よ」
B美「何よ突然?」
A子「考えてご覧よ。フェルナンド君にチョコを独り占めされた我が中学の男子達を。まるで江戸時代の飢えた農民くらいの飢餓状態じゃない?精神的にも胃袋的にもね」
D美「わたすだったら1日に4食以下なら耐えらんね〜からす」
C菜「大丈夫ですわ。フェルナンド君は男子にも人気のある方ですから」
A子「そうだったわ。そこが彼の真骨頂。あんな王子様ルックだけど結構ヤンチャで毒舌なんだって。そして、決してもらったチョコの個数なんか自慢したりしない人」
一同客席目線で
B恵「フラメンコ倶楽部の部長で」
C菜「優しくってちょい悪な」
D美「スイカより顔がちいさ」
A子「私たちの憧れのあの人」
そう、それが空野フェルナンド君!
B恵「ちょっと小耳にはさんだんだけどさ〜、体育科の裸悶先生いるでしょ?風紀倶楽部とかいうわけわかんないクラブの部長やってる先生」
A子「わたしも聞いた。公の場で、銅鑼山先生にGive Me Chocolate!!って大声でおねだりしたらしいよ」
D美「ほげ〜〜」
C菜「それでどうなったんですの?」
B恵「玉砕...。ごめんなさいの一言よ」
C菜「やっちゃた...。残念ですわね.....」
A子「でも、その後フェルナンド君にチョコを分けろって詰め寄ったらしいわよ」
B恵「それで彼はイヤな顔一つせず分けてあげたんですって」
一同客席目線で
A子「なんて心の広い方」
B恵「いつもわずかに瞳が潤んでる」
D美「スイカより顔がちいさ」
A子+B恵+C菜、D美を般若のような形相でにらんで
A子「いくわよ!」
一同「日本に来てくれてありがとうございます!」
そういったわけで、我らゾロカンパニーの人気者!フェルナンドのご紹介を終わります。楽屋から出て来たら「フェルナンド〜〜」って黄色い声援をかけてあげて下さい。スペインを離れて丸3ヶ月。スペイン人達はみんな異国の地で頑張っていますから。
担当班は『チョコレート独占禁止法違班』です。
では残り16公演。行ってきます。
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